模型用モーターを改造し、低電圧・高回転仕様にする
“純正品”で楽しむのもよいのですが「自分だけの逸品が欲しい」という欲望はだれにでもあるでしょう。
昔、ラジコンカーの大会はモーターの種別でクラス分けされてましたので380モーターを改造して入賞してました、
大会規定のどこにも「モーターの改造禁止」とは書かれてませんでしたのでね・・・!
そして近年、子供もできて父親となり電車や車のオモチャを修理してるときにふと思いました
「130モーターの耐電圧は3ボルトだから改造して乾電池1本仕様(1.5ボルト)にすると早く走って面白いかも・・・」とね!
ラジ四駆などのチューン用モーター(カーボンブラシのモーター)を使えば手軽に高速化できますが安全率を考えない改造仕様は恐ろしい速さを生み出します。
また、値段も110円前後と経済的です。
ミニ四駆が流行った頃(当時独身)知人の子供がはまってるのを知り、無理のない程度の改造モーター&ニッケルカドミウム電池の
車体をプレゼントしたら羨望の眼差しでしたね〜、当時は専用モーターも発売されてませんでしたので当然です。
その後、更にパワーアップと極限まで改造してたら車が壁に当たった途端、モーターが白煙を上げて燃えました!
警告!使い方によっては次の危険性があります
1.モーター軸が停止した際、巻き線焼損のおそれあり
2.モーターや電池発熱のため、機器焼損や火傷のおそれあり
3.過電流によりマンガン電池などは破裂のおそれあり
警告!読者の自己責任においてやるかやめるか判断してください
ここでは基本的な4つの改造を行います
1.巻き数を減らして高速化
2.バランスをとって低振動化
3.ローターの極を螺旋構造にし低振動化
4.ローターと永久磁石(固定子)の隙間を小さくして高トルク化
効能
1.低電圧で高速回転
2.高回転の割に低振動
副作用
1.電流量増加で浪費エネルギー
2.電流量増加で電池低寿命
3.過電流でモーター短寿命
材料
1.マブチ130モーター
2.流し台用アルミテープ
工具
1.ラジオペンチ
2.ニッパー
3.カッターナイフ
4.ハンダゴテ
5.ハンダ
6.定規などの平たい板2まい
7.作業台か皿
8.サンドペーパー800番程度
9.ライター
10.輪ゴム
マブチ130モーターを開封した所です、取り扱い説明書をよく読みましょう。
今なら戻れます・・・(どこへ?)
モーターはリード線付きとリード線なしがあるようですがリード線付きの方が安いそうです
(純正のリード線なしが売られているのを見たことはありませんが・・・)
・モーター分解
モーターは2個所あるツメで固定されてますのでラジオペンチでツメを起こします、
ラジオペンチは磨耗していない新しい物を使用してください、失敗すると外すのが困難になります、
ツメを起こしたらリード線を留めている樹脂も外して分解します
部品はハウジング・ローター・エンドカバーとリード線留めに分かれます
・巻き線を解く
ローターからエナメル線(巻き線)を解きます、巻き線の巻きつけ方向をメモやイラストに書いて憶えておきます、
もし組立時に方向を間違えると逆転したり回らなくなります
巻き線を止めてある整流子の下端にカッターナイフの歯を挿しこみ線の端を外します、
再利用するのは1・2本ですが3本共丁寧に解いてください
巻き線を解いてゆく時に巻き回数を数えておきましょう、通常のノーマル130モーターなら約60回のはずです
・ローターの極をネジる
モーターから出る振動の原因として固定子(磁石側)付近をローターの極(巻き線側)が通過する時に磁気の影響で振動が発生します、
これを緩和するためローターの鉄心(コア)をネジって螺旋状にします。
ラジオペンチを極と極の間に当ててネジると少しずつ動きます、ネジる量は写真を参考にしてください
(これに合わせてブラシの位置も動かした方がよいのですが、実験で大きな差はないのでそのままでOKです)
・線を巻く
解いたエナメル線を元通りの方向で巻きます、このときの巻き数ですが次のどちらかを選択してください
30回:1.5ボルト乾電池用で比較的安全な巻き数で(気楽に遊ぶならこちら)
20回:1.2ボルトニカド用で高回転、取り扱い注意の危険品(消火器を常備!)
エナメル線が3個所とも巻けたら端子に触れる部分のエナメルを剥がします、
一般的にはサンドペーパーで削りますがライターなどの炎で焼くという荒業もあります、
巻き上がったらラジオペンチで押さえて半田付けします、
ハンダ付けの際ラジオペンチに輪ゴムを巻いて固定すると作業しやすいでしょう
・ローターのバランスをとります
バランスが悪いと振動の原因になりますので調整します、
ものさしなどの平な物の上で橋渡しして確認します、軽く振動を与えるとわかりやすいでしょう、
重い方が下に向きますので軽い側にエナメル線を3回転ほど巻き再確認します、
バランスがとれたら端部を数回ネジって内側に曲げればOKです、
このエナメル線はオモリ代わりなので端子にハンダ付けする必要はありません
(後記:ものさしよりもガラスコップ2個で橋渡しする方がより正確に調べられます)
・出来上がったローターです
・磁石を外す
磁石には方向がありますのでメモしておきましょう、
方向を間違えると逆回転したり、回らなくなります
ラジオペンチで磁石を固定しているバネを引き抜きます、
バネが跳ばないように慎重に!
・磁石に紙を挟んむ
紙の厚さはコピー用紙なら3〜5枚程度でしょう
紙を挟んだらラジオペンチで押して隙間を無くします
・仮に組み付けて確認
バネをセットしローターを差し込んで磁石とローターが接触していないか確認します、
接触してたら紙の厚さを減らします、余裕が有りそうなら紙を増やします、
あまりギリギリだと組み上げた時に接触しますので紙1枚分少な目がコツです
・ブラシを点検
作業途中でうっかりブラシを変形してる可能性があるので確認します、
またブラシの接触圧が低下していないか確認しておきます
・組み立てる
組み立てる前にもう一度磁石の方向など再確認します、
またハウジングとエンドカバーの方向も確認します(反対に組むと逆転します)
一応に確認したらツメを折って固定し、電池をつないで異常がないか確認します
・穴を埋めて完成!
リード線留めを使わない場合はハウジングにできた穴を台所用アルミテープを貼って埋めるとわずかですが消音になります
完成したらお目当ての玩具に組み込んで楽しみましょう
・最後に・・
消音だけを目的にするとローターのバランスをとるだけでも効果があります、元々バランスのよいモーターは多くありません
凝るなら、コミュテーターの溝をパテ埋めして凹凸を無くし、サンドペーパーで磨き上げ、金属みがきでポリッシングすると「キーン」という音がほとんどなくなります、
ただし通電が悪くて弾みをつけてやらないと回らない場合が生じます
その他、グリスの種類を変えたり、ブラシの形状を変えたり、巻き線の巻き方や材質を変えたりときりがありません
モーターの改造文献は以上です
誤って同意されてない方が閲覧し家を焼いてしまわないようリセットするか一旦ブラウザを閉じてください
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