■誰にでも焼ける本格石やき(風)いも 2004/11/20

やきいも・焼いも・焼芋!
美味しいやきいもが食べたい、できれば甘くて香ばしい石やきいもが食べたい
でもお家で焼くとうまくできないし、専用の芋焼器もない
でも食べた〜い!!
という方に石やきいもと同等のやきいもをどこの家にもある道具で焼く方法を紹介します


※このページの「いも」という表現は一般的に「さつまいも」と呼ばれている物を指します。 但し品種を特定しているわけではありません
・器具と材料
1.さつまいも
2.ごま油(※任意)
3.フライパン(アルミ製)
4.フライパンのフタ(※代用可)
5.アルミホイル
6.新聞紙

1.いもの配置確認
フライパンにいもを並べてどのいもをどの場所に置くか確認します。いもが転ばないようにできるだけ平坦な部分を探して下にします

2.枕を作る
いもをフライパンに直接置くと焦げてしまうので枕で空間を作ります。アルミホイルを40センチほど切って丸めて少し捻ります、枕は3本用意してください、できあがったらフライパンに並べます

3.いもに新聞紙を巻く
新聞紙をいもより少し広めに取り2〜4回巻きつけます。写真はそのまま巻いてますが新聞紙を丸めてシワシワにしてから巻くと簡単です

4.ごま油を塗る
ごま油をキッチンペーパーなどに取り新聞紙に少量塗布します、このとき新聞紙がベトベトにならないよう注意してください
※ごま油がない場合は付ける必要はありません
こま油は実際の石やきいもでも使われてまして石に馴染ませてからやきます、本当はいろいろな目的があるのですが フライパンで焼く場合は「本物志向の演出」だと思ってください、やき始めにいい香りがします

5.アルミホイルを巻く
新聞紙を巻いた上からアルミホイルを巻きます。中心部分はピタリと押さえて両端は緩く巻き水分の逃げ道を確保しておきます
こんなときはオリーブの首飾りでしょうか・・

6.フライパンに並べる
フライパンに敷いた枕の上にいもを並べます

7.内ブタとフタをする
アルミホイルをフライパンより大きく(長く)切り内ブタを作ります、アルミホイルがいもとフライパンの縁に密着させてください、 このとき前後2個所に水蒸気を逃がす隙間を作っておきます。 内ブタができたら外フタ(フライパン純正の)をします、このとき芋が大き過ぎてフタが完全に閉まらない事もありますが少々なら問題ありません
※フタがない場合はアルミホイルをもう1枚密着させずに乗せてください

8.点火−加熱開始
火加減は弱火から少し開いた辺りにします、ゆっくり加熱すると甘くなるのですが極端に弱火だとホクホク感が失われてゴムみたいになります、 火が強すぎると焦げてます、但し焦げはじめると臭いでわかります
焼いてる最中は換気扇は回さず窓を少し開ける程度にしましょう、換気扇の風は意外と強く熱が逃げてしまい焼く時間が長くなって不味く(まずく)なります

9.やき上がり時間の判断
やき始め最初はごま油の香ばしい香りがしますがやがてやきいも独特の甘い香りがしてきます、フライパンのフタには水滴が多く付き始めますので
この時点で6〜7割です、ここで焦げ臭ささを強く感じたら火加減を落とすとよいでしょう、ここまで時間にして40〜50分程度ですがいもの量によっても異なります
香りの強さは部屋の湿度によってかなり違います、湿度が低いと強く感じ湿度が高いとほとんど感じません、 経験ですが湿度40%でいもを焼くと2階建ての全ての部屋で甘〜い香りがして場所によっては翌日まで残ってますが 湿度80%だとフライパンの近くで嗅いでもほとんど感じられません、もちろんいもはできてました

10.水分飛ばしと水取り
水分を飛ばして甘さを濃くします、またフライパンのフタに水滴が沢山つきますので2〜3回捨ててください、 いもが大きくてフタに隙間がある場合やアルミホイルでフタの代用をした場合は水取り不要です

11.焼け確認
※高温火傷に注意!手袋などを使いましょう
時間にして1時間15分〜1時間30分のところで火を止めてフタを外し、いもの中央付近を軽く押して空間が出来てたらやき上がりです。 すぐにアルミホイルと新聞紙を外して枕の上に置いて冷まします、その後も水分は飛び続けて甘さも増していきます。
アルミホイルと新聞を取った時点で焼け具合が不十分と感じたら電子レンジで加熱して仕上げてください、時間もかからず味も変わりません

12.召し上がれ〜
少し冷めたら包丁で切って「いただきま〜す」


何度か焼いてると、もっと美味しく焼けるようになりますよ〜

やき上がりで

・丁度よい
表面の皮は浮き上がりしっとり感とホクホク感がまじって絶妙なハーモニーをかもし出します
安上がりで贅沢な逸品です

・生焼け
焼く時間が短すぎたか火が強すぎて表面だけ焼けたと考えられます
再加熱してもよいのですが、電子レンジで手早く加熱してもOKです

・焦げた
火力が強すぎたのが原因です、いもの太さや量などでも異なるのでうまく火加減してください
食べられなくもないですが焦げ臭くて美味しくない場合は諦めて再挑戦してください

・ゴムみたい
火力が弱すぎたか換気扇を回して熱が逃げた可能性があります
焼くというよりは乾燥した状態ですので干し芋に近いでしょう
「ゆっくり加熱すると甘くなる」という情報は事実ですが
極端な場合は糖度は上がるがホクホク感が失われ甘味も感じなくなります
糖度が高いのと甘さを感じるのは別なので誤解のないように

・ベチャベチャで水っぽい
水っぽくてベチャベチャしている場合、これはさつまいも自体が原因です
栽培時に畑の水分が多くなり過ぎたり、成長途中でツルが切れて芽が出て栄養が抜けたりするとなります
農家で栽培されてる物は比較的少ないですが、家庭菜園の場合に水のやりすぎには注意しましょう
基本的にさつまいも栽培で水はやりません

・パサパサで甘味が少ない
電子レンジで焼くとなりますが紹介した方法でなった場合はさつまいもを
収穫してすぐに使った可能性があります、季節的な要素もありますが
芋堀りなどで採ったさつまいもは2週間ほど土が付いたまま休ませてからやきましょう
また、どうしても甘味が少なくパサパサな場合もありますのでさつまいも自体の原因が考えられます

・中までしっとりして目茶甘
これはさつまいも自体に要因があります、でんぷんの質なのか、いもの中にある酵素が効いたのか、
やわらかいけどとても甘いやきいもができる事があります
個人的には好きなのですが作ろうと思って作れる物ではありません

やきいも雑談

・美味しいさつまいもの見分け方・買い方
正直なところ難しいですがスーパーなどで買うと極端に悪いいもはありません
見た目で細いものよりは7センチ以上の太めの方が焼くのに適しています
軽くたたいてみてコンコンと硬い音がするものを選びます、虫食いだったりすると音が鈍くなります
そして買うタイミングも大切です、入荷して間もなくの山積みの中から2つ程選んで買い、焼いて食べてみることです
ホクホクで甘くて美味しければ残りの物も良品の可能性が高いので早めに買いに行きましょう
太いさつまいもは容易に焼けないのか1・2日で売り切ることはないので焦る必要もありません

・アルミホイルはリサイクル
焼くのに使ったアルミホイルは何度も使えますので再利用しましょう
少しくらい穴が開いても大丈夫です

・フライパンの劣化
1・2回のやきいもでは気づきませんが、回を重ねるとフライパンの劣化か目立ってきます
底は白くなり取っ手はグラグラ、テフロンは効果が弱くなります
まあ、美味しいやきいもがたくさんできるのですからやきいも専用にするのもよいでしょう
我が家は近所のホームセンターで売られている¥290(税込)のフライパンを使ってます
数千円の高級フライパンなら劣化しないかもしれませんが・・・

・大きいやきいもに挑戦
11月頃になると10センチ以上の太いいもが130〜150円と安くなります
10センチ前後で外観がきれいだと多くは美味しいいもです
太いもの焼き方も基本は同じですが少々工夫が必要です
太さ直径13センチのやきいもに成功しましたので後日紹介したいと思います


・食べ過ぎには注意!
やきいもは食物繊維も豊富で美味しく各種ビタミンも多く含まれているそうですが
食べ過ぎに注意しましょう、食事以外に度々大量に食べるとやはりカロリーの取り過ぎとなります
日本の主食は米ですが、芋を主食にしてる国の人にポッチャリ体型が多いのも納得できます

・美味しいのは焼きたて?それとも冷えてから?
これは好みの問題でしょうね、焼きたてのあつあついもは香りも強くホクホク感もあり冷たい飲み物とよく合います
(牛乳を飲みながら食べると美味しい@個人意見)
一方、冷えたいもにも長所があります、人の舌は体温に近い温度ほど強く感じますので熱いより常温の方が甘さを感じます
また、焼いた翌日だとしっとり感が出てまったりした甘さが楽しめます「食後のデザートにやきいも一切れ」これもまた美味しいですよ

・どうして甘くなるの?
さつまいもの中にあるでんぷんが、同じくさつまいもの中にある酵素で分解されて糖化します。
酵素が働く一定の温度帯があるようです、加熱中にこの温度帯を通過しますが電子レンジなどで 急加熱すると糖化が進む前に通過するので甘さが少なくなるそうです。
昔、NHKのウルトラアイという番組で言ってましたね!
この番組を見たか、類似の情報を知った方は「ゆっくり焼いた方が甘い」と甘さばかりにとらわれ 弱火を奨めますが、実際は乾燥が先に進むためゴムのように硬くなり美味しくありません
つまり、極端なことはしないが吉です。
糖化といえば麦!ビールの原料であるモルト(麦芽)も加熱によって糖化します。
ただ、麦の場合は芽が出るときに酵素が作られるらしいのですが、さつまいもはどうなのかわかりません



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